「ニキビ」は、90%の人が思春期にかかる疾患といわれています。
その原因はさまざまですが、一般的には毛穴の中で繁殖したアクネ菌が炎症を起こしニキビになると考えられています。
ただし、ニキビは「思春期を過ぎれば自然と治るもの」というわけではありません。
じつはは思春期を過ぎてできる「大人ニキビ」で悩んでいる人、男女ともにけっこう多いのです。
国内だけでなく、欧米でも治療のために使われる費用は莫大で、アメリカでは年間約2,500億円以上とされています。
多くの人に心理的、経済的に影響を及ぼしているのですね。
そこで、今回は、医療費節約にもつながる、大人のための「ニキビ予防」「ニキビ対策」をリサーチしました。
ニキビは炎症性の皮膚疾患ということを認識しましょう!
ニキビは顔だけでなく、背中や胸に起こる炎症性の皮膚疾患のひとつ。
痤瘡 、ざ瘡 、 座瘡、面皰(めんぽう)と表示されてもいますが、正式名は「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」です。
顔にできたものが「ニキビ」、それ以外を「吹き出物」と呼んだり、10代にできるものを「ニキビ」、20歳過ぎれば「吹き出物」などとすることが多いようですが、すべて「ニキビ」です。
また、ニキビの進行状況を見た目の色で分けて、毛穴に皮脂が詰まって白くみえる状態を「白ニキビ」、そこから進行して毛穴の皮脂が盛り上がり酸化した状態を「黒ニキビ」、さらに進行して菌が繁殖して炎症を起こした状態を「赤ニキビ」と表現する場合もあります。
ニキビの原因は解明されておらず、消化器、内分泌、代謝、肝機能などの障害や細菌、精神的因子、遺伝的要素であったり、薬の副作用などさまざまです。対処法や治療をあやまると、酷い場合はケロイドや凸凹痕(あと)が残ることもあり、「青春のシンボル」とあなどってはなりません。
「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」
90%の人が第二成長期(13歳~18歳頃)、いわゆる思春期に発症するニキビは、成長ホルモンが影響していると考えられています。
皮脂分泌量の急激な増加で排出しきれなかった皮脂が、毛穴に詰まると考えられ、「思春期ニキビ」と呼ばれています。
特に皮脂腺の多い、顔のTゾーンにできやすく、1980年代にはニキビのできた場所で「思い(額)思われ(アゴ)振り(左の頬)振られ(右の頬)」という恋占いが流行ったこともありました。
「大人ニキビ」は、医学用語では思春期後痤瘡(ししゅんきござそう)といいます。
成長期が終わってからもでき、背中ニキビや皮脂腺の少ない乾燥しやすい顔のUゾーン(フェイスライン)にできるのが特徴。
内臓疾患や化粧品の影響、ストレスなど生活習慣などが要因だと考えられています。
「顔のニキビ対策」基本の洗顔方法
誰もが一番気になる顔のニキビ。対策にはなんといっても正しい洗顔です。
余分な皮脂や汚れをだけを落とし、菌の繁殖を抑える洗顔の最大のポイントは、朝と寝る前の1日2回が基本とされています。
洗い過ぎは、必要な皮脂が流され、乾燥を招き、余計に皮脂分泌が過剰になってしまう場合があるのでご注意を。
【洗顔の順番】
①洗顔前に髪が顔にかからないように、ヘアバンドなどでとめておきます。また、清潔な手で洗うために手洗いは必須です。
②水かぬるま湯でささっと流し洗いしたら、洗顔料をしっかり泡だて、優しく洗います。小鼻の周りや髪の生え際など、すみずみまで洗い忘れのないように。
③洗顔料が残らないようにすすぎは丁寧に。
④清潔なタオルで優しく水分を吸い取るように拭きましょう。ゴシゴシ拭いたり、家族でタオルの使い回しはNGです。
⑤洗顔後、化粧水などで皮膚から必要な水分が逃げないように保湿をします。脂性肌だからやらない方がいいと勘違いされている人がいるようですが、乾燥を防ぐための水分保湿なので大丈夫です。
朝、夜の洗顔以外の日中、皮脂のテカリは、ティッシュ、タオル、あぶらとり紙などで押さえるように取り除き、汗をかいたら水やぬるま湯だけでさっと洗い流します。
【洗顔料の選び方】
自分に合った洗顔料を選ぶことも重要です。
当ブログのスタッフは、0円のサンプル品や特価のお試しセットを使ってから選んでいます。
【思春期ニキビ】洗顔ポイント
運動部に所属していて、大汗をかいたり、砂まみれになったりする現役学生の人は、運動後に、水やぬるま湯で軽く洗顔を。また。できてしまった「おでこニキビ」を前髪で隠すのは逆効果です。気持ちはわかりますが、毛先がニキビにあたるのは不衛生です。
【大人ニキビ】洗顔ポイント
洗顔前にメイクはクレンジングなどでしっかり落としておきましょう。顔をシャワーで洗い流すと、水圧が顔のたるみ原因になり、またニキビにも刺激が強すぎるので、シャワー洗顔はNGです。
目指すは背中美人!夏に向けての「背中ニキビ対策」
「大人ニキビ」の中で、見えにくくて洗いにくいのが「背中ニキビ」です。
夏に向け、背中がぱっくり開いたドレスや水着、着られるよう、背中ニキビ対策をいくつかご紹介しましょう。
・背中にシャンプー剤やリンス剤などが残らないように、洗髪後に背中を洗いましょう。
・背中に汗をかいたら、放置しないで、タオルで拭いたり、清潔な肌着に着替えたり、シャワーでさっと流すなど、常に清潔にを心がけてください。
・顔を同じでニキビの原因である乾燥を防ぐために保湿をしましょう。
最後に、日常生活でのニキビケアはとても大切ですが、症状がひどい場合は皮膚科を受診してくださいね。
公益社団法人日本皮膚科学会でも、ニキビには【皮膚科への早期受診】をすすめています。